こんにちは、福井アクションセンターの高田です。

4月25日、大飯原発の再稼働について専門的な立場で検討する、福井県の原子力安全専門委員会(第71回)が開かれました。

委員会は4月18日に大飯原発の安全対策を確認するために視察を実施。
今回の委員会は、その状況報告と、これまで委員から出されていた質問に保安院と関西電力が回答するために開かれました。
私も傍聴してきました。

最初は控えめでしたが、出席した委員からは、保安院と関西電力に対し質問が相次ぎました。
委員と保安院・関西電力とのやり取りメモは下記をどうぞ。


◆福井県での再稼働どうする決定までのステップは?


福井県で再稼働についての判断が下されるまでには、少なくとも下記のステップが考えられます(順不同)。

● 専門委員会が判断
● おおい町の住民説明会(4/26開催)
● おおい町議会の判断
● おおい町長の判断
● 福井県議会の判断
● 福井県知事の判断

専門委員会は、大飯原発の再稼働について知事や議会に、県側として唯一専門的・技術的な助言をできる立場にあります。

政府の見切り発車による安全宣言が、本当に周辺住民の生活の安全性を確保するものかどうか、想定外に起きた東電福島第一原発事故による惨状と同様のリスクから本当に周辺住民を守れるものかどうか、専門委員会にはそれを見極める責任があります。

それぞれの委員がどんな発言をしたかのメモを下記にまとめました。


【4月25日の第71回福井県原子力安全専門委員会】
■ 出席委員
■ 席次表(保安院と関西電力の説明者名含む)
■ 委員名簿とこれまでの議事録、配布資料

 
【発言メモ:4月25日の第71回福井県原子力安全専門委員会】
(下記は、委員会を傍聴した高田がメモをとったものです)
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竹村委員「地震について敷地内全体についてのチェックは?」 
関電「地震に対しての評価をしている。建屋や敷地については、建設段階でチェックしているので問題ない」

委員長「アクシデントマネジメントのなかで対応手段を明確にしておくことが必要では」 
関電「訓練はこれからだが、きちんと整備していきたい」


飯井委員「今回の評価をみていると、規制の実施規格について不安に思う。3.11以降規制について調査した国名、他国では義務で日本では事業者まかせになっていた項目を知りたい」 
保安院「他国では義務で日本では電力会社まかせになっていたことは、シビアアクシデント(過酷事故)の対応」
今日の配布資料では、平成4年原子力安全委員会決定文として「シビアアクシデントは工学的には現実に起こるとは考えられないほど発生の可能性は小さい」と。 

飯井委員「もうすこし具体的に示してほしい。思想も大事だが、具体的なところまで調べているかを知りたい」 

委員長「シビアアクシデントマネジメントはこれから作っていくことになるが、具体的に情報を流してほしい」

田島委員「福島事故で変わったことは、絶対安全がなくなったこと。もし蒸気発生器があるから安全というなら、防災対策などいらないはずでは」

田島委員「より安全なものを考えることになっているのはわかる。でも今はないわけで、その部分への対策はどうなっているのか」
保安院「各国で開発が進められている。ものすごく安全性の高い炉が開発されている」

田島委員「弱点がわかっているなら、それを今補う対策が必要では」

泉委員「政府も事故の時の対応を改善するようにすべき」 
保安院「指摘のとおりだ。うまくいかなかったことが今回(福島事故で)、多々、多々あった。改善しないといけない」

山本委員「真の脅威は想定外のことが起こることだ」
保安院「電源があり、それが使える環境があればいろいろ対応できる。使えなくなる可能性がないようにしたい」

竹村委員「福島第一原発の炉が、より深刻な事態ならず、なぜあれで止まったかについては検証したのか」
保安院「検証はされておりません」

大堀委員「仮に大飯原発を福島第一の場所に置いたとして、3.11の時にどのような影響がありえるかの検証はしているのか」
保安院「そういう検証はされておりません」

大堀委員「まだまだ3.11の地震については十分に検証されているとは言えない。類似性があるかも。調べてほしい」
保安院「別の地震の委員で検討したい」

岩崎委員「『シビアアクシデント対策の深層防護』(多重防護)について今日の委員会で発表されたものは、いつごろ国から正式に発表されるのか」
保安院「新しい規制庁の体制の下で。時期の明言は難しい」 

三島委員「(シビアアクシデント防護の)レベル5になれば放射能の大規模放出となり住民の安全に関する大切なこと。それがまだ国の方でできていない。地域の防災計画にも関わるから、はやくしてほしい」
保安院「一刻も早くやっていきたい」

保安院「事故時に温度計などのパラメータが見えない場合は、原子炉の状況を把握するために「可搬型計測器」を使う」→ただし、今年6月整備予定。

山本委員「温度計などパラメータが見えないときのために、どんな訓練をするのか」 
保安院「訓練を作る方もアイディアがいるから、よく考えていきたい」
配布資料によるとパラメータ見えない場合を想定した訓練は未実施とのこと。

田島委員「私が心配するのは、事故がない期間が長く続くと、いざというときにマニュアルがあっても対応できなくなるのではないかということ。ソフト面でもしっかりやってほしい」 保安院「しっかり訓練していきたい」 

大堀委員「地震が来るまでどれくらいの時間を想定しているのか」 
保安院「ストレステストでは地震と津波が同時に来ると想定している。地震計と津波警報完備している」

委員長「委員からは非常に多くの意見が出された。敷地全体の災害安定性も確認してほしい。シビアアクシデントの深層防護については山のように意見が出た。国の方でしっかり話してほしい」

委員長「今後委員会ではこれまでの審議内容を整理していく。地震については保安院に再度説明を求めたい。安全性については県民にもわかりやすく議論していきたい」

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(写真: 「発電用軽水型原子炉施設におけるシビアアクシデント対策規制の基本的考え方について(報告書案の概要)」 第71回専門委員会配布資料No2の10ページ)